あらすじ
ゲルショッカーは、サボテンの研究家である松田博士を誘拐して、蝙蝠とサボテンの合成改造人間・サボテンバットに改造した。その使命は、地球平和科学者委員会の鈴木、安岡両博士の始末。そしてその後は、日本中の人間をサボテンにしてしまう「人間総サボテン化計画」の遂行であった。
サボテンバットは早々に鈴木、安岡両博士をサボテン化し、第一の任務を達成。現場に残っていたサボテンが元は人間だったなどとは誰も思わず、両博士は行方不明扱いで報道されたが、自身も科学者である鈴木博士の息子が、状況から考えて現場に残っていたサボテンが父の変わり果てた姿だと確信していた。そして、彼は猛の知り合いでもあり、状況を聞いた猛達は、事件はゲルショッカーのしわざと確信した。猛は、第二の作戦「人間総サボテン化計画」のため、各所に現れては人々を襲撃していたサボテンバットを追いかけては戦いを挑む。
その頃、ライダー隊本部にナオキが持ち込んだサボテンにより、藤兵衛の左手がサボテン化する事故が起こる。急いで鈴木に連絡して処置してもらうことで、全身のサボテン化は免れたが、サボテンバットと戦い左手に毒を食らった猛の左手もまた、同じようにサボテン化してしまっていた。
ワクチンの開発を急ぐ鈴木の研究室を、サボテンバットが襲撃。研究機材をめちゃめちゃに荒らし、ワクチン開発を妨害して去って行くが、サボテンバットが荒らしてぶちまけた液体が、偶然藤兵衛のサボテン化した左手を元に戻し、結果としてワクチンは完成した。
サボテン化した左手を治療し、再びサボテンバットの前に現れた猛。激闘の末サボテンバットをライダーキックで退けると、サボテンバットは松田博士の姿に戻っていた。サボテンバットだった頃の記憶は無く、サボテン化された人々が元に戻ったというナオキの報告に困惑して呟く。
「サボテンバット?そんなサボテンはありませんよ」
解説
実は地道が好きなゲルショッカー
今回、サボテン研究家の松田博士がサボテンバットに改造されるところから始まるのですが、ゲルショッカーになってから、怪人の改造シーンが描かれるのは初めてじゃないのかな。その改造も、いわゆるメスなどを使って身体を切り刻むような外科的なものではなく、なにやらヘルメットをかぶせて怪しげな音波らしき物を浴びせたらいつの間にか怪人に変わるという超お手軽改造。まあ、こんな簡素な改造だからこそ、最後には元の姿に戻れたということなのかもしれませんが…
そのサボテンバットが遂行する「人間総サボテン化計画」。内容は読んで字のごとしなのですが、これまたえらく気の長い話でして…。人間をサボテン化させるにはサボテンバットが毒を注入するしか無い。なのでサボテンバットが人間一人一人を順次サボテン化していくという恐ろしく地道な作業が必要な作戦だったりします。
サボテンを露店販売してたりしたので、サボテン自体に仕掛けをして一気にサボテン化を広めようとしているのかと思ったら、結局サボテンバットがサボテンに化けていて、買った人間を襲うだけ。なんという効率の悪さか。
同じような地道な作戦をカナリコブラの時もやったりしましたが…。前回、「ゲルショッカー実は資金難」説を提唱しましたが、それの裏付けといいたくなるような地道極まる作戦。改造がお手軽なのも資金難だからか?って気がしますしね…
改めて感じる三浦康晴のすごさ
今回、ナオキが持ち込んだサボテンで藤兵衛の左手がサボテン化してしまい、ナオキが自責の念から泣き崩れるというシーンがあるのですが、正直言って、ひどい演技です。大人がこんな演技してたら間違いなくNG出されて終わりでしょう。子役だから許されたという面はあるのでしょう。
ナオキ、ミツルは65話を最後に退場した五郎の後釜として登場した子役ですが、やはり五郎役の三浦康晴と比べると演技力の差は歴然としていますね。三浦が演技力を高く評価され、ギリギリまで続投が検討されていたというのも、今なら頷けます。
次回予告
次回予告で、何故かナレーションがゲルショッカーのことをゲルダム、ゲルダムと連呼していました。
ゲルショッカー初期のブラック将軍の書状では「ゲルダムショッカー」の名称が使われていたこともありました。
なんなんでしょう..この統一感の無さ。微妙にモヤモヤします。
丸山文櫻氏
今回の脚本担当の丸山文櫻氏。見慣れないお名前だったので調べてみると、脚本家としての活動期間は5年ほどで、仮面ライダーシリーズでは今回が最初で最後の担当だったとか。で、なんとその後、出家して曹洞宗の尼僧になられているそうです。ご本人のブログもあるようです。
脚本:丸山文櫻
監督:奥中惇夫