あらすじ
ドクトルGによって滝壺にたたき落とされたV3。ガマボイラーの捨て身の技によって全身のエネルギーを奪われ、瀕死の状態になりながらも彼は辛うじて生き残っていた。衰弱して気絶した彼が目を覚ますと、そこは見知らぬ山小屋だった。
山小屋の主は、かつてデストロンに攫われて利用されていた、原子物理学の岡島博士だった。彼は、ダブルライダーによってデストロンから助け出され、一人娘とともに山小屋に身を潜めていたのだった。
しかし、自分が脱走者で、さらには志郎を匿っていたことがデストロンの怪人・バーナーコウモリに露見。志郎は負傷が癒えない身体で、岡島親娘を守るべく外に出る。最初のうちこそ、エネルギー切れのため戦闘員にすら苦戦していた志郎だったが、V3に変身して時間が経過するごとに次第にエネルギーが回復。バーナーコウモリはいったん撤退した。
バーナーコウモリを退け、再びダブルライダーの形見を探し始める志郎だったが、見つからない。ダブルライダーの形見は岡島博士に託されており、博士によって山中の洞窟に隠されていたのだった。志郎を形見の隠し場所へ案内する岡島。途中で娘がバーナーコウモリに襲われるハプニングもあったが、岡島が猟銃で撃退。
洞窟の中に隠されていたダブルライダーの形見は、V3の弱点について記録されたテープレコーダーだった。テープにはV3の4つの弱点が残されており、その中には、逆ダブルタイフーン発動後の、3時間の変身不能についても説明されていた。
用を済ませて洞窟を出ようとする二人だが、岩盤が崩れ岡島博士が洞窟に閉じ込められてしまう。さらには、バーナーコウモリが現れ再び志郎に襲いかかる。密閉空間に閉じ込められた岡島博士は、早く助けないと窒息してしまう。V3は戦いのさなかで、猟銃に打たれた傷に苦悶するバーナーコウモリに逆ダブルタイフーンを浴びせ、バーナーコウモリもろとも岩盤を吹き飛ばす頭脳プレーで、無事岡島博士を救出した。
V3の弱点の秘密がデストロンに渡る最悪の事態は、無事に回避されたのだった。
解説
ガマボイラーが「一生に一度」しか使えない捨て身の技で、命と引き替えにしてまで奪ったV3のエネルギー。しかし、時間の経過とともにあっさり回復してしまうのだからガマボイラーも浮かばれやしません。文字通り犬死にのガマボイラー、憐れです。
ダブルライダーの形見にも残されていた、逆ダブルタイフーン。第13話のナレーションによれば強烈な風を巻き起こして土煙を巻き上げ、自爆したように見せかけるだけの技だったはずですが、今回は破壊力を発揮してバーナーコウモリもろとも岩盤を吹っ飛ばす破壊力を備えてますね。まあ、3時間の変身不能と引き替えにするなら、これくらい派手な能力でないと釣り合わないでしょうね。
ちなみに残り3つの弱点は劇中では最後まで明かされないのですが、当時の雑誌で紹介されていた設定では以下のようになっています。
- V3バリヤーで耐えられる電圧は100万ボルトまで
- 砂地での戦いは不得手
- 深海1万メートル級の水圧には耐えられない
砂地の件以外は、弱点と言うよりは能力上の限界というだけのような…100万ボルトや1万メートル級の圧に耐えなきゃならんような場面なんかそうそう無いでしょ…と思ったけど、ショッカーのエイキングが放つ稲妻は100万ボルトって設定ですね。でもシードラゴンとかは僅か1万2千ボルトですし…。ちなみに仮面ライダーストロンガーの「ストロンガー電キック」もたかが(!)10万ボルトなのでV3の楽勝ですな。
なお、深海1万メートル級の圧力はXライダーなら耐えられます。彼を改造した神啓太郎自身が、「1万メートルの海底の水圧に耐える」と説明していますし。
砂地での戦いについては、第3話のイカファイア戦で証明されているとする人もいるようですが、あれはV3の弱点というよりもイカファイアが得意とする地形だったというほうが大きいんじゃないかと私は思ってます。
ちなみに、バーナーコウモリの人間態を演じているのは、中田博久。後のゼロ大帝@ガランダー帝国ですね。
脚本:伊上勝
監督:塚田正煕