あらすじ
デストロンは世界征服達成へ向けて、まずは制海権を掌握する戦略を選択した。そのため、海上の無人島をアジト化して高性能魚雷の生産工場を建設。その魚雷を発射する能力を持たせた改造人間・ハリフグアパッチの力で海上の船を次々と爆破して制海権をデストロンの手に奪おうとしていた。
父親がデストロンに奴隷として誘拐された翔太少年からの通報で現場に駆けつけた志郎と藤兵衛は、そこで突如響く女性達の悲鳴を聞いた。声を追って駆けつけると、そこにいたのは海水浴中の女性達を襲うデストロン戦闘員とハリフグアパッチだった。
女性達を藤兵衛に任せ、ハリフグアパッチと相対する志郎だったが、海中にたたき落とされたところに魚雷の直撃をまともに食らってしまった。
大ダメージを負い、一命を取り留めつつも気を失っていた志郎が流れ着いたのは、まさにデストロンがアジトとしていた無人島だった。志郎は潜入したアジトの内部で保管中の魚雷を発見し、デストロンの戦略を知った。ハリフグアパッチにその場で発見され戦いとなったが、両者相打ちとなってお互い大ダメージを負った。
海上でボートに乗った藤兵衛に救助された志郎は、そのままV3に変身し、V3の防御力で島を覆うバリヤを強行突破し、再びデストロン島に潜入するが、ドクトルGの巧妙な罠にかかり、藤兵衛ともども潜水艇内に閉じ込められた状態で海中に沈められてしまった。
潜水艇内の酸素も尽きかけるなか、V3は最後の手段として胸部のレッドボーンにエネルギーを集中し生み出した破壊力で潜水艇を強引に破壊して脱出を果たす。逆襲してきたハリフグアパッチも「V3錐揉みキック」で撃破。デストロン島も大爆発と共に海の藻屑となり、デストロンの魚雷作戦は潰えた。
解説
デストロン初期の怪人は「機械合成怪人」と呼ばれ、名称もモチーフとなった機械と動植物の名前を合成した物になっています(ハサミとかピッケルとか「それ機械か?」ってのもたまにいますが…)。で、今回の怪人ハリフグアパッチですが、「ハリフグ」はわかるとして「アパッチ」って何じゃラホイ?
魚雷って英語では「torpedo」ですよね? カタカナ表記するなら「トーピドー」が一番近いでしょうか。ならば、そんな製品名が着いている魚雷でもあるのかと思って「アパッチ 魚雷」とかで検索しても、このハリフグアパッチしか引っかからない始末(笑)。軍用ヘリで「アパッチ」ってのがあるみたいですけどね…結局、よくわかりませんでした。
ところで、今までどちらかというと作戦の足を引っ張ることの多かった大幹部ドクトルGですが、今回は巧妙な立ち回りでV3を絶体絶命に追い込みます。アジトへV3を誘き出して罠にかけて部屋に閉じ込め、部屋の酸素を抜いて島ごと沈めようとするのですが、実はこれが二重の罠。沈みゆくアジトから脱出しようとするV3の逃走経路を巧妙に誘導し、アジトに接岸した潜水艇の内部に改めて幽閉。そして潜水艇ごと海に沈めてしまうのです。
アジトごと沈めるとはったりをカマしてV3を潜水艇に閉じ込め、実際はアジトを温存して潜水艇だけの犠牲でV3を葬るという大金星目前だったのですが…
さすがに、海に沈んだ潜水艦の中から強引に力任せの突破で脱出するというのは、いささかチートが過ぎると思います!
脚本:滝沢真里
監督:塚田正煕