あらすじ
カナリコブラが斃れた後の、ゲルショッカーの「第1次ペット作戦」。それは、感染力の強いペスト菌を保菌する改造人間ネズコンドルを使ってペスト菌をばら撒き、東京を24時間で死の街とする恐るべき計画だった。ネズコンドルは次々と感染を広げる。ペスト菌に冒された人間達も感染源となって文字通りネズミ算式に感染者は広がった。
東京中が混乱する中、ブラック将軍は「ペット作戦第2号」を発動。その内容は、ハツカネズミに擬態したネズコンドルをペットとしてライダー隊本部に送り込み、ライダー隊でペスト菌を蔓延させ、本郷猛を始末する計画。しかし、ライダー隊本部に入り込むことには成功し、藤兵衛の寝込みを襲ったものの、藤兵衛の思わぬ抵抗に苦戦している間に猛と滝が間に合ってしまう。
「ペット作戦第2号」は失敗に終わり、ペスト菌に対するワクチンも開発され第1次作戦も失敗が濃厚となるなか、ブラック将軍は次の作戦行動を起こす。ネズコンドルに再改造を施し戦闘力を強化、さらにペストを上回るより強力な病原菌を持たせ、再び感染拡大作戦を開始した。
再び感染被害が広がっていく中、猛はケーブルがネズミに食いちぎられて電車が止まったという滝の報告を受け、現地へ向かうが、その途中でネズコンドルと戦闘員の一団と遭遇する。ネズコンドルとの戦いの中で猛は目に負傷をおわされて撤退。
失明の危機もある状況で入院した猛だったが、滝がゲルショッカーに捕まったとの脅迫状を受け取り、負傷を押して指定の第三水門へ向かう。視力がままならないまま、ライダーに変身してネズコンドルと戦う猛。視力が万全でない状態で苦しい戦いが続いたが、どうにか「ライダー月面キック」を浴びせて勝利。
戦いに勝った直後、完全に目が見えなくなってしまった猛だったが、自身が研究していたワクチンが完成し、事なきを得た。新たな感染症もワクチンで撲滅され、東京は平穏を取り戻したのだった。
解説
ネズコンドルがばら撒いていたペスト菌。ペストというのは実際にある病気で、「黒死病」という名前で歴史で教わった人も多いはずですね。でもさすがに、感染したらあんな牙が生えて、しかも他人に襲いかかって感染を広げるなんてことは無いでしょう…。ペストを何だと思ってるんだか。
ネズコンドルは第2号作戦が失敗し、あらたな作戦への布石として改造強化されます。改造前との違いは、顔にくちばしのようなオブジェが付いたことと、両腕にブレードが装備されたことでしょうか。
話は変わり、あらすじからは省いてますけど、今回ちょっと気になる描写があります。
ネズコンドルが「第1次ペット作戦」でペスト菌をばら撒く中、ライダー隊本部に「ゲルショッカーの怪人に襲われた」と通報が入り、猛達が現場へ向かうのですが、現場の警官は、FBIの滝はともかく警官でもない猛の現場への立ち入りを止めませんし、こんな会話までしているのです。
猛「ゲルショッカーの怪人は?」
警官「我々が駆けつけたときはすでに…」
ゲルショッカーの存在が、どうやら一般に浸透しているようです。少なくともショッカー時代は警察組織ですらその存在を把握してませんでしたが、何らかの理由で隠しきれなくなったのか、それとも敢えて存在を隠さず活動しているのか。
そして、ゲルショッカー出現の通報がもたらされたり、滝や猛の現場入りがスルーされたり、どうも警察が少年仮面ライダー隊をゲルショッカーに対抗する組織として認知しているような描写です。すげーな藤兵衛さん。いったいどんな手を使ったんだ。
脚本:石森史郎
監督:山田稔