仮面ライダーX


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巨大な悪の組織GODに父と共に殺された神敬介は、瀕死の父の手によって仮面ライダーXとして甦った。その使命は、世界の平和と正義を守るため、敢然と謎のGOD機関を相手に戦うのである。

  • 放映期間
    • 1974年2月~10月
  • 主演
    • 速水亮

エピソードリスト

No.タイトル脚本監督備考
1X.X.Xライダー誕生!!長坂秀佳折田至
2走れクルーザー!Xライダー!!長坂秀佳折田至
3暗殺毒ぐも作戦!!伊上勝内田一作
4ゴッド恐怖の影!!伊上勝内田一作
5一つ目怪人の人さらい作戦!鈴木生朗田口勝彦立花藤兵衛登場
6日本列島ズタズタ作戦!鈴木生朗田口勝彦
7恐怖の天才人間計画!長坂秀佳折田至
8怪!? 小地球・中地球・大地球長坂秀佳折田至涼子、霧子退場
アポロガイスト登場
9Xライダー必殺大特訓伊上勝内田一作
10GOD秘密警察!アポロガイスト!!伊上勝内田一作
11不死身の水蛇怪人ヒュドラー!鈴木生朗折田至
12超能力少女をさらえ! 鈴木生朗折田至
13ゴッドラダムスの大予言!伊上勝内田一作
14アポロガイスト くるい虫地獄伊上勝内田一作アポロガイスト退場
15ゴッド秘密基地!Xライダー潜入す!!伊上勝折田至チコ、マコ登場
16逆襲アポロガイスト!Xライダー危うし!!伊上勝折田至再生アポロガイスト登場
17恐い!人間が木にされる!!村山庄三山田稔
18恐い!ゴッドの化けネコ作戦だ!鈴木生朗山田稔
19ゆうれい館で死人がよぶ!!鈴木生朗折田至
20お化け!? 謎の蛇人間あらわる!!島田真之折田至
21アポロガイスト最後の総攻撃!!伊上勝内田一作再生アポロガイスト退場
22恐怖の大巨人!キングダーク出現!!伊上勝内田一作キングダーク登場
23キングダーク!悪魔の発明!!伊上勝田口勝彦
24復しゅう鬼ジェロニモ!音もなく襲う!!伊上勝田口勝彦
25謎の怪盗カブト虫ルパン!!鈴木生朗内田一作
26地獄の独裁者ヒトデヒットラー!!鈴木生朗内田一作
27特集 5人ライダー勢ぞろい!!平山公夫
中瀬当一
内田一作風見志郎客演
28見よ!Xライダーの大変身!!村田庄三内田一作風見志郎客演
29死闘!! Xライダー対Xライダー!!鈴木生朗田口勝彦
30血がほしい― しびと沼のヒル怪人!!鈴木生朗田口勝彦
31立て!キングダーク!!村田庄三折田至
32対決!キングダーク対Xライダー伊上勝折田至
33恐怖!キングダークの復しゅう!!村田庄三内田一作一文字隼人客演
風見志郎客演
34恐怖の武器が三人ライダーを狙う!!鈴木生朗内田一作一文字隼人客演
風見志郎客演
35さらばXライダー伊上勝折田至

解説

前作「仮面ライダーV3」が、中盤をピークに徐々に視聴率に陰りを見せ始めたことを受け、本作では企画段階で様々な新要素が盛り込まれており、全く新しい仮面ライダー像を造り出そうという意欲が見て取れます。

第一に、専用武器ライドル。平成・令和の時代では仮面ライダーが武器を持つのは当たり前になってしまいましたが、前作および前々作の仮面ライダー達は武器を持たず、ボディアクションのみで敵と戦うのが基本スタイルでした。本作では4形態に変化する専用武装を標準装備しています。前作、前々作に限らず、昭和の仮面ライダーのシリーズでは武器を持たないスタイルが一般的で、例外は本作以外では『仮面ライダーBLACK RX』 くらいです(『スーパー1』が微妙と言えば微妙ですが…)。そのRXも、武器を使うのはトドメの時に限られてますので、常時武器によるアクションが中心になっているのは本作だけと言っていいでしょう。

第二に、ミステリー要素の導入。主人公、神敬介の恋人・涼子が、GODの手先となって敬介を裏切ったかと思えば、涼子とうり二つの女性・霧子があらわれて敬介のサポートに回る。彼女達の存在を巡る謎を軸にした展開が序盤は繰り広げられました。

第三に、主人公の変身。変身ポーズを取ることで変身していたこれまでのライダーとは違い、「レッドアイザー」と「パーフェクター」というアイテムを使って変身します(若干のポーズはある)。これも、現在の平成・令和ライダーに通じる要素かもしれません。

第四に、神話をモチーフとした怪人達。前作、前々作では、怪人は必ず動植物をモチーフとした設定・デザインがなされてましたが、今回はギリシャ神話の神々をモチーフとした彫刻のようなデザインが特徴的な怪人達が登場します。

第五に、敵組織。謎の怪物が結成した謎の秘密結社としか言いようのないショッカー/ゲルショッカー/デストロンと違い、GODは東西両大国が日本を滅ぼすために水面下で手を組んで結成した政治的な意図を持った秘密組織だということ。その目的は世界征服ではなく、日本の殲滅です。首領にあたる「GOD総司令」とは、実際にその姿を見せることこそなかったものの、人間の国家が結成した組織である以上、正体不明の怪物などではなく、人間であるはずです。

このように、非常に意欲的な試みを取り込んでスタートした本作品ですが、出だしから躓きます。

放送局である毎日放送が番組の方針に横やりを入れた結果、涼子・霧子の謎を軸としたミステリー要素は放映開始前から路線変更が確定。ライダーの変身も番組後半では、強化改造されたという設定で変身ポーズを用いた変身に先祖返り。 それとともに何故かライドルもほとんど使われなくなり、従来のパンチ・キックアクションに戻る。神話をモチーフとした怪人は馴染みが薄いという理由から、中盤以降は再び動植物モチーフ(+歴史上の悪人)の怪人が登場。 敵の組織も結局、東西両大国が結成したという設定はいつのまにか曖昧に。「GOD総司令」もいつの間にか出てこなくなり、「分署」や「室長」といった国家組織をうかがわせる用語も、「悪人軍団」などという俗なものに取って代わられます。

あれだけ盛り込まれた新要素は、終わってみれば何一つ残らなかったという惨状。結局、それまでのシリーズと大差のない内容となってしまいました。正直、「迷走」と言われても仕方の無い経緯を辿った本作は、3クールという変則的な放映期間をもって打ち切りの憂き目を見ることになりました。

しかしながら、主人公神敬介のライバル的な位置づけのアポロガイスト、シリーズで初となる大巨人キャラのキングダークといった、敵組織幹部キャラの魅力はシリーズでも屈指であり、また武器を持っているが故の剣劇を中心とした技闘など、本作ならではの魅力も多々あります。

主な登場人物

神敬介(演:速水亮)

沖縄の水産大学の学生。

大学の休暇期間中に帰郷し、父の啓太郎とともにGOD機関に襲われる。一時は落命したが、啓太郎の手により深海開発用改造人間「カイゾーグ」となって復活した。

以後、「仮面ライダーX」を名乗り、GOD機関と戦う。

神啓太郎(演:田崎潤)

第1話、第2話に登場。

敬介の父親で、城北大学の教授。専攻は人間工学と海洋科学。

以前からGOD機関に協力を求められたいたが、拒み続けた上に敵対する姿勢を見せたため、帰郷した敬介ともども殺されてしまう。瀕死の状態で息子に改造手術を施し、同時に自らの記憶と人格を海底の「神ステーション」に移植した。

しかし、直後に敬介が自分に依存していることを嘆き、依存心を断つべく神ステーションごと自爆する。

水城涼子(演:美山尚子)

第1話~第8話に登場。

啓太郎の助手であり、敬介の婚約者でもあるが、二人を裏切りGODに身を投じた。

その正体はインターポールの秘密調査員。GODに加わったのも捜査のためであったが、その際にサイボーグ手術を受けており、第8話で正体が露見すると、GOD総司令により体内の自爆装置を起動させられ、死亡する。

霧子(演:美山尚子(二役))

第1話~第8話に登場。

涼子の裏切りに困惑する敬介の前に現れた、涼子と瓜二つの容姿を持つ女性。

実は涼子の双子の妹であり、GODに潜入した姉に代わって敬介を影からサポートする。第8話でGODの戦闘工作員の矢から敬介を庇い、命を落とす。

立花藤兵衛(演:小林昭二)

第5話~第35話に登場。

デストロンとの戦いが終わった後、新たに喫茶店「COL」を開業。

敬介とは幼稚園バス失踪事件を通じて知り合うが、デストロンノイローゼを患っており、常軌を逸した腕力や聴力を持つ敬介を、最初はデストロンの改造人間と誤解した。

敬介がXライダーとしてGODと戦っていることを知ってからは、協力者としてその戦いをサポートした。

チコ(演:小坂チサ子)

第15話~第35話に登場。

城北大学の女子大生。GOD総司令の指令テープを聴いてしまったことからGODとの戦いに巻き込まれる。敬介に救われて以降は「COL」でウェイトレスとして働く。

なお、オープニングのクレジットでは「小チサ子」と表記されているが、これは誤植である。

マコ(演:早田みゆき)

第15話~第35話に登場。

チコの親友で、彼女同様、「COL」で働いている。

GOD総司令(声:阪脩)

第1話~第21話に登場。

決してその姿を見せることは無く、石像やお堂などのモニュメントに仕込まれた命令テープを通じて、怪人達に指令を下すGODの総指揮官。

GODを統括する人物と思われるが、キングダークの登場以降は影を潜める。

アポロガイスト(演:打田康比古)

第8話~第14話、第16話~第21話に登場。

GOD秘密警察第一室長。主に怪人達の作戦遂行状況を監察し、必要に応じて介入する役割を担う。その肩書き通り、GOD内部の治安維持も任務としており、その権限で怪人を懲罰・処刑することもある。

普段は白いスーツを着用した青年の姿をしている。

一度Xライダーに敗れるが、総司令の意向で再生手術により復活。しかし、再生は不完全であり、再生を完全なものにするためXライダーのパーフェクター奪取を試みるが、再びXライダーに敗れて爆死する。

キングダーク(声:和田文夫)

第22話~第35話に登場。

巨人型のロボットで、アポロガイスト亡き後のGODを再編成した。南原博士が開発した物質エネルギー変換装置(RS装置)の設計図を、『悪人軍団』を率いて敬介と奪い合う。

普段はアジトの内部で寝転んでいる。呪博士が内部で操縦している。

呪博士(声:和田文夫)

第35話に登場。

「悪魔の天才」の異名を持つ科学者で、キングダークを内部で操っていた。神啓太郎の親友でもあった。「ワシがGOD」と称しているが、前述のGOD総司令との関係性は不明である。

キングダークと一体化したその姿は既に人間離れしている。

キングダークの体内でXライダーに倒され、キングダークもろとも自爆する。

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