あらすじ
ショッカーの大幹部ゾル大佐は、かつて中近東で実行して成果を上げた、少年少女を使った破壊工作を日本で実行しようとしていた。そのため、催眠電波を扱う改造人間ムカデラスを使い、成績優秀な少年少女を誘拐し、彼らを洗脳して「ジュニアショッカー」を結成した。
そのジュニアショッカーの一員に選ばれ、五郎のガールフレンドでもあった少女ナミエの推薦により、五郎もまたショッカーの標的となった。五郎を連れ去ろうとするムカデラスを追いかけるライダーと滝だったが、ゲバコンドル、サラセニアンの妨害に遭い、見失ってしまう。
五郎の行方が掴めず、焦りを募らせる隼人と滝の二人。ショッカーの動きが無ければどうにもならないとやきもきさせる二人の元を、ゾル大佐の差し金によりジュニアショッカーと化した五郎達が襲撃。
二人はなんとかその場をかわし、隼人は五郎達の足止めを滝に任せてムカデラスを探す。果たして、二人は子供達を助けることができるのだろうか。
解説
冒頭、子供達が仮面ライダーごっこで遊んでいる高台ですが、なんか見覚えが…ここ、後にゲルショッカーの結成式に使われる高台じゃ無いのか? …と、思いましたが、先取りして第80話を確認してみたら、似てると言えば似てるけど違いました(笑)。人の記憶なんて当てにならないモノですな…
三浦康晴の実力
悪の組織が優秀な子供を拉致して組織の構成員として使うというのは、今後もよく使われる構図ですが、いつもはタダのわんぱく小僧にしか見えなかった五郎が、実はクラスでもトップを争う成績優秀児童だったことが今回明らかになります。
五郎役の三浦康晴は、本作の後はほとんど目立った活躍もなく、芸能界からフェードアウトしたそうですが、それは中学進学を機に勉学に専念することに決めたからなのだそうです。進学のタイミングで、本作品からも途中降板しています。子役の中では図抜けた演技力を持っていたそうで、降板にあたってもずいぶんと惜しまれたとか。
正直、普段の五郎としての演技を見ても、この時代の子役にありがちなオーバーリアクションのわざとらしい演技が目立ち、そんな演技力のある子かなぁと思ってましたが、ジュニアショッカーとして隼人達の前に立ちはだかる時のその表情に、絶賛される演技力の一端を見た気がしました。ムカデラスの催眠によって操られる虚ろな表情を実にうまく作っているのを見て、思わず感心してしまいました。
再生怪人マッチレース
今回、サラセニアンとゲバコンドルが復活してライダーの前に立ち塞がってきます。ゲバコンドルは、滝和也初登場の回で登場した怪人なので、滝の「ライダー、ゲバコンドルだ!」という言葉も自然ですが、サラセニアンの姿を見てライダーが「サラセニアン!」と叫んだのは…。サラセニアンは第4話に登場した怪人。当時の相手は1号ライダー・本郷猛です。隼人はサラセニアンを知っているはずがないのですが…。
さらに言えば、今回サラセニアンはジュニアショッカー教室の教官として、流暢に言葉を話しています。前回登場時は一切言葉を発しない怪人だったんですが…
第13話の解説でも触れたとおり、再生怪人は大抵戦闘員並みのザコなのですが、今回は二人だけに絞り込まれたせいか、それなりにライダー相手に食い下がって見せています。最後もきちんとライダーの必殺技を食らってますし。もっとも、ゲバコンドルは初登場時にはライダーキックが通用しませんでしたが、今回は2号ライダーのライダーキックに敗れています。これはやはり再生怪人は生前の性能に及ばないということなのか、あるいは単純に2ライダーの性能が1号を上回っているのか…。多分前者だろうな。
サラセニアンとゲバコンドルは今回が2度目の復活ですが、今後も再生怪人は頻繁に登場するので、誰が何回再生したか、メモでも付けておきましょうかね。
とりあえず今回までの再生回数。
怪人 | 再生回数 | 登場 |
蜘蛛男 | 1 | 第13話 |
蝙蝠男 | 1 | 第13話 |
さそり男 | 1 | 第13話 |
サラセニアン | 2 | 第13、27話 |
かまきり男 | 1 | 第13話 |
カメレオン男 | 1 | 第13話 |
蜂女 | 1 | 第13話 |
コブラ男 | 1 | 第13話 |
ゲバコンドル | 2 | 第13、27話 |
ヤモゲラス | 1 | 第13話 |
第10話のコブラ男を再生怪人扱いするかは微妙な面もありますが、ひとまずここでは再生怪人の定義を、「メインの怪人とは別に出現する、過去に登場した怪人」とします。第10話のコブラ男は再生とはいえ、メイン扱いの怪人なので今回のカウントからは外します。
脚本:伊上勝
監督:折田至
