あらすじ
ショッカーは、死神博士が自ら作り上げた冷凍ガスを操る改造人間トドギラーを使い、人間達を冷凍状態で誘拐して改造人間に仕立てた上で、東京を氷の街と化す「アイス計画」を企てていた。
トドギラーはサッカーに興じる五郎達の目の前で老人を氷漬けにして誘拐したのを皮切りに、海上の船舶を次々と襲撃。船は遭難し、船員達もアジトに拉致された。
父親の乗る船が遭難した海を見ながら黄昏れている少年・ヤスオに、通りかかった隼人が声をかけると、戦闘員を引き連れたトドギラーが出現。隼人は後から現れた滝共々戦うが、滝とヤスオはトドギラーの冷凍シュートを浴び冷凍状態に。ライダーに変身した隼人もまた、二人共々洞窟の奥に閉じ込められてしまった。
たき火を自分の身に当てて、その熱で冷凍された滝とヤスオを解凍したライダーは、洞窟の壁の弱い箇所を見つけて破壊し脱出。ヤスオを滝に任せて、自身は様子を見に来たトドギラーと戦う。
「トドギラーお前の企みは失敗したようだな!」
しかし、ライダーは乱戦の中トドギラーの冷凍シュートをモロに浴びてしまった。瞬く間に氷漬けにされたライダーは、意識を失ったままアジトに連れ込まれた。
ライダーに恨み骨髄の死神博士は、死の苦しみを味わわせようと冷凍から蘇生させた後に処刑しようとするが、ライダーは冷凍から蘇生した瞬間に拘束具を引きちぎって脱出。
トドギラーを羽交い締めにして冷凍シュートを死神博士に向けて脅迫し、捕らわれた人々の居場所を吐かせようとするライダー。しかし、滝が戦闘員に捕まってしまったため、人質交換でとらわれの人々の開放をいったん断念する。
逃げる死神博士とトドギラーをそれぞれ滝とライダーが追う。滝は死神博士の催眠に阻まれ取り逃がすが、ライダーはトドギラーを激闘の末撃破。
とらわれた人たちは無事解放され、ヤスオも無事父親と再会を果たしたのだった。
解説
本話の脚本、石森史郎氏は初めて登場する脚本家です。なんでも仮面ライダーの原作者・石ノ森章太郎の母方の従兄弟なのだそうです。石ノ森章太郎は当初「石森章太郎」名義で活動していた時期もありますし、同じ家系の間柄かとも考えたくなりますが、実際は石ノ森の本名は「小野寺」章太郎であり、「石ノ森」のペンネームも出身の宮城県石森町(現在は登米市中田町石森)にちなんだもので、家名とは関係ないのだとか。石森史郎の方は北海道羽幌町出身とかで、親戚とはいえたまたま石ノ森と似た石森姓なのは、ただの偶然のようです。
で、今回は、死神博士が自ら作り上げたという改造人間トドギラーの登場です。こいつは死神博士が自負するだけあって、なかなかの性能を誇り、一時は仮面ライダーを氷漬けにすることに成功するのですが…
ああ、黙ってそのまま粉砕すればいいものを、よせばいいのにわざわざ蘇生させて地獄に落とすなどと死神博士が言い出したものだから…拘束具をアッサリと引きちぎられて脱出を許す失態をさらすことに。
キノコモルグの時の失敗から何も学んでねぇよこいつら…
しかもトドギラーの冷凍シュートを吹き出す口をライダーに向けられ、脅迫されて無様に命乞いする始末。
ただ、「このアジトに侵入するためにわざと捕まってやったんだ!」はさすがに無理があるでしょう。トドギラーの言葉通り、そのまま粉砕されていたら一巻の終わりですからね。たまたま死神博士の酔狂に助けられただけです。
その死神博士が滝とタイマンで戦うという珍しいシーンがありますが、さすがに生身の人間に遅れを取るような死神博士ではなく、滝を催眠で腑抜けにしてまんまと逃走します。
それにしても、たき火を直接当てても解凍できない滝とヤスオを、ライダーが自分の体にたき火を当てて、その熱で溶かすとか、理屈が意味不明すぎますな。
脚本:石森史郎
監督:田口勝彦