あらすじ
紀伊半島での基地建設に執着する地獄大使は、シオマネキングに指示し、海底都市構想を提唱する海洋学の権威、坂井博士を拉致させた。
坂井博士が乗っていた釣り船が無人で漂流しているところを、遊覧船に乗っていた猛達が発見。その釣り船に坂井博士が乗っていたことを知り、博士の妻子が出かけたという太地町の鯨博物館へ滝が向かった。
地獄大使は基地建設への協力に同意しない坂井博士を脅迫するべく、シオマネキングを鯨博物館に向かわせ、博士の妻子を誘拐しようとしたが、これは滝と猛が阻止。続けて、二人が宿泊するホテルの部屋を襲撃し、救出に入った滝と一進一退の末、滝もろとも拘束することに成功する。ボートでアジトの島へ連れ去っているところに猛と藤兵衛が現れる。猛は藤兵衛に隼人への連絡を頼み、自らは変身してシオマネキングのボートを追う。
妻子を人質に取ってもなおも首を縦に振らない坂井博士。息子を痛めつけるシオマネキングに滝が抵抗するが、両腕を縛られた状態ではどうにもならない。そこにライダーが現れると、地獄大使はすぐさま方針を変更し、博士を含む坂井一家を崖の上に立たせ、ライダーに降伏を迫る。しかし、崖の上には隼人が現れ、戦闘員を蹴散らして一家を救出。
隼人も変身し、2人の仮面ライダーがシオマネキングの交戦。ダブルライダーが相手ではまともに相手にならず、ライダーダブルキックを食らって、倒れた。
ショッカーのアジトも爆散し、基地建設計画はこれで完全に潰え、熊野灘に平和な夏が戻った。
解説
構成のおかしなところが、ちょこちょこ目に付きますね。
Aパートは、1号ライダーが海に逃げるシオマネキングを追い、水中戦を繰り広げている真っ最中で終わってます。本放送の時はここでCMが入ったわけですが、CMが終わってBパートに入ると、場面はホテルのロビーに移っており、そこにしっかりと猛がいるんですよこれが。
本放送の時はCMというインターバルが入っていたのでしょうから、さほど違和感は感じなかったのかもしれません。しかし、CMが完全カットされている状態で見ると違和感が半端ない。
また、坂井博士の妻子を滝とともに拉致したシオマネキングを1号ライダーがボートで追うシーンがあるのですが、とくにライダーが追跡を撒かれた様子もないのに、シオマネキングが人質とともにアジトの島に上陸したのをライダーが追いかけてくる様子が無い。結局、滝が散々戦っていたぶられてからようやくのご登場なのですが、これも違和感バリバリの場面でしたね。
ところで、シオマネキングといえはやはりシオマネキの怪人なのでしょうが、シオマネキってカニの一種で普通は白や茶色をしています。なぜシオマネキングはあんなド派手なカラーリングなのでしょうか。調べてみると、沖縄にはルリマダラシオマネキなる、青と黒のまだら模様を持つ種が存在するようです。そいつがモチーフにされたのでしょうか。
さて、前回は久々の登場となった隼人が、実質的な主役となって大立ち回りでしたが、今回は隼人の出番は最後の決戦だけという寂しい状態。それでも、最後の締めはやはり「ライダーダブルキック」。コレですよ、コレ。
でも、ライダーが2人いるなら、怪人も2人欲しいなぁ。その方が技闘も映えるでしょうし。2対1だと、どうしても「寄って集って」のイメージになっちゃいますからね。
脚本:鈴木生朗
監督:山田稔