あらすじ
GODは2000年前に絶滅したといわれる、古代ギリシャの伝説の「くるい虫」を化石から復活させた。くるい虫に刺された人間は、恐れを知らぬ狂った殺人鬼と化す。くるい虫の復活を成し遂げた青田博士は、用済みとしてアポロガイストによって狂い虫の実験台にされた。その恐ろしい効果を確認したアポロガイストとGOD総司令は、くるい虫を繁殖させて日本中にばら撒く「日本キチガイ作戦」を実行に移そうとしていた。
狂った青田博士が運転する暴走車を、たまたま遭遇した敬介が追跡。GODが派遣した偽物の救急車も見破り、青田の口封じを阻止した敬介だったが、そこにアポロガイストが姿を見せた。
「フフフ…さすがだな神敬介!」
「お前に褒められると妙な気持ちになる。なに、これもGOD、とくにお前との付き合いを始めたおかげだ。簡単に人間が信用できなくなったんでな!」
「その男はもうGODにとっては何の利用価値も無いのだ。それでも連れて行くかね」
「GODに無くても俺にはある!」
「それでは、やるか?」
「望みとあらばお相手しよう」
GODの殺人マシンの異名を持つアポロガイストとXライダーの決闘。しかし、Xキックすら盾ではじき返すアポロガイストに、Xライダーは戦況不利と見ていったん離脱する。
Xライダーを取り逃がしたアポロガイストは、今度は藤兵衛を狙いを変えた。COLに戦闘工作員を送り込んでくるい虫を放流。たちまち店内は惨劇の現場と化し、藤兵衛は駆けつけた警察に参考人として連行されるが、取り調べも無く藤兵衛が強制収監されたそこは、警察は警察でも、GOD秘密警察の東京分署だった。
質問に答えろとくるい虫をかざして脅迫するアポロガイストだが、どれほど脅されても頑として口を割らない藤兵衛。しびれを切らしたアポロガイストが藤兵衛を殺そうとしたところに、Xライダーが乱入した。XライダーはCOLにくるい虫を回収に現れた戦闘工作員から、東京分署の存在を掴んでいたのだった。Xライダーは分署の建物に放火し、さらにはくるい虫の培養槽もライドルで破壊。「日本キチガイ作戦」を完全に終わらせてしまった。
怒りのアポロガイストとXライダーの最終決戦。アポロショットと盾を駆使してXライダー相手に互角の戦いを繰り広げたアポロガイストだが、アポロショットを弾き飛ばされ、「アポロガイストカッター」で投擲した盾も失うと次第に劣勢に陥り、Xライダーの「X必殺キック」を食らった。
「Xライダー、俺の負けだ。君は良きライバルであり好敵手だった。…最後の握手を」
瀕死の状態で、人間態の姿で立ち上がったアポロガイストが、最後の罠でXライダーを道連れにしようとする。が、Xライダーはギリギリの所で逃れ、アポロガイストは爆死した。
GOD秘密警察第一室長、アポロガイストの壮絶な最期だった。
解説
ライダーのライバル的な立ち位置として登場した異色の大幹部・アポロガイスト。その一応最後の回となります。本格的な登場となる第9話から数えて僅か6話の活躍ということになりますが、主役すら食いかねない圧倒的な存在感を放ってました。
当初から登場は短期で、次の大幹部へのバトンタッチが予定されていたそうですが、人気が沸騰したため続投が決定。それで、第16話での復活となるのですが…正直、再生後のアポロガイストは微妙に「コレジャナイ」感があって、自分的には今回が事実上のアポロガイストの最期だと思ってます。
完全にXライダーとアポロガイストの戦いにフォーカスした内容で、怪人の登場すら無い熱すぎる展開です。
GODの偽救急車を見破った敬介とアポロガイスト(人間態)の一連のやりとりは実にシビれます。
アポロガイスト版変身ポーズである「アポロチェンジ」も今回になって初お目見え。敬介のセットアップとの共演も激アツです。
最終決戦では、一時的ではありますが、Xライダーから奪ったライドルスティックをアポロガイストが華麗に振り回す珍しいシーンも拝めます。(元々、Xライダーのライドルは意外と敵に奪われて逆に使われることも多い武器だったりするのですが…)
最期の、ボロボロになりながらも身なりを整え、Xライダーをライバルとして称え、散っていくアポロガイスト。最後の最後までカッコ良すぎでしょう。
ああ、それなのに…再生後の彼は「どうしてこうなった」感がどうしても拭えない…
そういえばアポロガイストは藤兵衛から何を聞き出したかったんでしょうね。地味に気になるところではあります。
脚本:伊上勝
監督:内田一作