V3危うし!帰って来たライダー1号・2号!!(『仮面ライダーV3』第33話)

あらすじ

デストロンは、人工的に光化学スモッグを作り出す寒川博士の研究に目をつけ、光化学スモッグを特殊改造した殺人光化学スモッグの開発を企んでいた。

キバ男爵は、一族のユキオオカミを論文執筆中の寒川の別荘に派遣し、寒川と娘の由美子を拉致。寒川博士の娘、由美子に呪いの血を注入して人質に取り協力を強要する一方、由美子の友人である純子達が寒川の別荘を訪れた折りに、睡眠薬を盛らせた。改造人間であるが故に一行で唯一毒素の影響を免れ、寒川を問い詰める志郎だったが、現れたユキオオカミとの一戦の末、絶対零度の「ウルトラブリザード」を浴びて行動不能となってしまう。藤兵衛、純子、シゲルは捕らえられ、頼みの綱である志郎も既にデストロンの手に落ちた。

邪魔者を排除したキバ男爵は、藤兵衛達を殺人光化学スモッグの実験台として処刑しようとする。志郎は既に絶対零度に封じられ助けに入ることもできず、万事休す。しかし、装置のスイッチを投入するユキオオカミの手は、何者かによって弾かれた。そして高笑いと共に姿を現したその男は…本郷猛であった。さらには一文字隼人も現れ、絶対零度の密室に閉じ込められた志郎を救出。二人は変身し、2号ライダーはキバ男爵を足止めし、1号ライダーは藤兵衛らの脱出をサポート。救出された志郎もV3に変身してユキオオカミに相対峙する。

2号とV3を相手にしても堂々たる立ち回りで2人を手こずらせたユキオオカミだったが、1号も合流して3対1になるとさすがに為す術もなく、最後は「V3錐揉みチョップ」を浴びて爆死した。

首領にも叱責され、3人ライダーに恨みの炎を燃え上がらせるキバ男爵が打つ、次の一手とは…?

解説

佐久間ケンはどこ行ったんだよ。

寒川の別荘を訪れたメンバーに入ってないばかりかとうとうこの日は一切出番無しですよ。ほんと、何を思って登場させたキャラクターなのかサッパリわからんですね。

それはともかく、なんと言っても今回の見所は本郷猛と一文字隼人の登場でしょう。志郎が絶対零度の吹雪を浴びて身動き取れない状態。いつもならこんなのV3のチート能力でなんとかしてしまうところですが、さすがに今回は猛と隼人が登場と言うことで、見せ場を二人に譲る形ですね。

二人の変身シーンもバッチリ拝めますが、本郷猛の変身モーション、主役時代を含めても今回が一番カッコいいんじゃないですかね。よく隼人のそれと比べてへんな力みがあると言われたりしますが、逆にそれをよい方向に作用させているというか。最初のモーションへのセットアップ動作などは、腕の運び方で非常に見栄え良く見せています。力み無く腕と身体がすーっと流れる隼人のそれとは対照的な、メリハリの利いた力強い美しさ。1号ライダーの変身シーンはこのV3に客演した時のものが一番美しいと私は勝手に思ってます。そして2人が現れてキバ男爵と戦うシーンのBGMが「レッツゴー!ライダーキック」というのもまた激アツです。

しかし、さすがにライダー3人と怪人1体というのはちょっとイジメ感ありますね…。やはりこういう時は怪人側も増やして欲しいですよね。

脚本:鈴木生朗
監督:塚田正煕

第32話「鬼火沼の怪 ライダー隊全滅!?」第34話「危機一髪!キバ男爵対三人ライダー!!」
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