あらすじ
ゼネラルモンスターの毒ガス製造計画。新型毒ガスの精製には子供の血液に含まれているRHB要素が不可欠。そのためゼネラルモンスターは改造人間・コウモルジンを使って子供達を次々と誘拐。一連のネオショッカーによる誘拐は、謎の子供失踪事件として子供を持つ親たちを恐怖に陥れていた。たまたま、その誘拐現場に遭遇した洋と志度会長だったが、子供達を誘拐したネオショッカーのトラックを見失ってしまう。
その後コウモルジンは、公園の管理人に擬態し、公園で遊んでいた子供達を、これまで同様、コウモリ笛で意識を奪って誘拐したが、その現場をサトル少年に目撃されていた。目撃されていたことに気づいたコウモルジンはサトルを始末しようとするが、洋がサトルに接触したことで直接手は下せなくなった。
サトルから一部始終を聞いた洋は、サトルを巻き込んだ芝居で、管理人の正体を暴く。洋は変身してコウモルジンに挑むも、アリコマンドの相手をしている間にコウモルジンはサトルを拉致してしまう。しかし、拉致される直前に志度会長が発信機を付けており、それを辿ってライダーはネオショッカーアジトに突入。サトルと、抜血中の子供達を救出した。
計画を妨害されたコウモルジンはライダーとの闘いに、自分の得意な空中戦を挑むが、空中戦はセイリングジャンプによる飛行能力を持つライダーのフィールドでもある。激しい闘いの中、ライダーは空中でのスカイキックでコウモルジンを撃墜。
攫われた子供達は全員無事に救助され、ゼネラルモンスターの企みは潰えた。
解説
前話が『仮面ライダー』第1話「怪奇蜘蛛男」を意識したエピソードタイトルだったのに続き、今回も『仮面ライダー』第2話「恐怖蝙蝠男」を想起させるエピソードタイトルですね。ただ、ナレーションによるタイトルコールでは何故か、「勇気だ!」の部分が省かれ、「コウモリ笛の恐怖」とコールされていました。
志度ハングライダークラブにはみどり、ミチ、ユミの3人の女性が詰めていますが、いずれもネオショッカーのことは知っています。みどりは元々志度博士の助手として、博士がネオショッカーにいたころからの付き合いなので当然ですが、第1話ではそういった背景からどことなく影をまとったキャラクターでしたが、この頃にはすっかりかつてのライダーガールズ的なマスコットの位置づけになってますね。
なおどうでもいい知識ですが、劇中では「ハングライダー」と呼んでますが、英語表記にすると「Hang glider」です。そのままカタカナにするなら「ハンググライダー」なのですが、英語ではgが重なっているところは1音省略されて「ハングライダー」の方がより実際の発音に近いのだそうです。日本語ではどちらの表記も使われているようです。
ネオショッカーの行方を探る洋が、激高して思わず陶器の灰皿を握りつぶしてしまうシーンがあります。かつてはライダー1号本郷猛が水道管をねじ切ったり、後にはライダーBLACK 南光太郎がジュースの瓶を握りつぶしたりと、自分がもはや普通の人間ではないという事実を主人公に改めて突きつける、示唆的かつ伝統的なシーンですね。
サトルが公園でいじめられて泣いているところに、洋が「いじめられたらやり返せばいい」と諭すシーンがありますが、今だとまあ反発はされないでしょうが、子供番組として公共の電波に乗せられるかは微妙な言い様な気はしますね。
脚本:伊上勝
監督:田口勝彦