ブラック・サタンの学校給食!?(『仮面ライダーストロンガー』第5話)

あらすじ

ブラックサタンは各地の小学校の給食に毒物を混ぜ込むテロ作戦を計画。給食の卸業者に奇械人トラフグンを乗り移らせ、最初のターゲットとして選んだ相模湖畔藤野地区の小学校を選ぶ。しかし、この小学校は茂の大学時代の仲間である美杉が教師として赴任している小学校だった。美杉を訪ねて小学校を訪れる道中で戦闘員に遭遇していた茂達。ブラックサタンの影を警戒しつつも、美杉や子供達とフットボールで交流していた。

しかし、その背後で暗躍するトラフグンにより、毒を仕込まれた給食を食べた美杉達と子供達は救急搬送。事態を聞きつけた茂がユリ子と共に診療所へ急ぐと、道中でトラフグンに妨害される。乗り移っていた卸業者の男を人質にしてストロンガーらを脅すトラフグンだったが、その場に居合わせた藤兵衛に背後を襲われた隙に人質を奪い返されてしまい、逃走。その際、給食に仕込んだ毒物のカプセルを落としていった。

改めて美杉達が入院する診療所を訪れた茂達。藤兵衛が医師に拾ったカプセルを分析してもらったところ、フグが持っているペトロドキシンという毒物であることがわかり、すぐに解毒剤が手配されることになった。茂達は、トラフグンが乗り移っていた卸業者の男に見せてもらった卸先のリストから、次のターゲットとなる小学校を推測、配送センターへ向かい、今まさにトラフグンと戦闘員達が運び出そうとしている現場を抑えることに成功した。

変身してトラフグンと戦闘員を迎え撃つストロンガーとタックル。ストロンガーが必殺の電キックを直撃させてトラフグンを撃破した。解毒剤も手配でき、美杉と子供達も無事に快復を果たした。彼らに見送られながら、新たなブラックサタンの影を求めて、茂達は再び旅立つのだった。

解説

今回のブラックサタンの計画は目的が正直よくわからないですね。小学校の給食に毒を盛る。別に、それはよい(いや、よくはないがw)。しかし、そこから何がしたかったのでしょうか。使われている毒も既に解毒剤が存在する既知の毒物。なのでこの作戦が得られる成果と言えば、小学校がひとつ、一時的に機能不全になる程度のものでしかありません。まあ、身体の弱い一部の子供が犠牲になることもあるかも知れませんが、世界征服を企む組織の悪事としては、あまりにも些事と言わざるを得ません。

途中、茂が美杉と教え子達と共にフットボールに興じているシーンで流れているBGMは何故かV3の挿入歌、「ぼくらの仮面ライダーV3」です。もちろん、歌詞は使われていませんが…

診療所に収容された美杉達を見舞う茂達。診療所に注射された車のナンバープレート「長野5 190」が時代を物語ります。登録事務所を示す「長野」の後に来る「5」の数字は自動車の分類番号なのですが、現在はここは3桁の数字が普通です。時代を追うごとに桁は増え、最近は3桁の数字でも足りなくなっていて、アルファベットが混じっているのも稀に見かけるようになりました。私が子供の頃は2桁が主流でした。現在では、たまに街で分類番号が2桁の車を見かけると、「おぉ~」と感嘆してしまいます。走っている車種もやはり昔見たような懐かしいものばかり。1桁の分類番号はさらに激レアで、走っているのを見かけるとちょっと得した気分になったりしますね。

で、その診療所を訪れた茂。毒物で苦しむ美杉と子供達に「なんだいこのザマは、お前らしくも無いぞ」「しっかりしろよ君たちも。あの時のタックルの勢いはどうしたんだ」などと無茶な檄を飛ばす鬼畜の所業。

そして、卸業者から卸先の小学校のリストを見て、瞬時に次のターゲットを見抜く茂。ユリ子が理由を問うと、「頭悪いぞユリ子!俺たちが奇械人に襲われた場所に一番近いじゃないか」と。いや、頭悪いのはお前だわ(笑)。茂って、詐欺の類いにコロッと騙される人じゃ無いですかね…。それとも、ブラックサタンの知能などこの程度だろう、と見切っての発言だったのか…。

脚本:松岡清治
監督:折田至

第4話「悪魔のオートバイ暴走作戦!!」第6話「先生に化けたクラゲ奇械人!」
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