闘いの時来たり!技は赤心少林拳(『仮面ライダースーパー1』第2話)

あらすじ

ドグマによる国際宇宙開発研究所襲撃事件から半年後。一也は赤心少林拳の総本山である、秩父連山の赤心寺に身を寄せ、自力でスーパー1へと変身する術を求め、最高師範である玄海の指導のもと、心身の鍛練に励んでいた。

一方、谷モーターショップの近所にある柏木空手道場が、謎の男の道場破りに遭い、乗っ取られた。モーターショップのオーナー、谷源次郎は国際宇宙開発研究所のヘンリー博士とは知己であり、研究所襲撃直前のヘンリー博士から、一也の保護を依頼されていた。源次郎は、謎の男がヘンリー博士を殺害した猿渡剛介であることに気づいた。

猿渡が東京に現れたと源次郎からの知らせを受け、玄海は一也の完成を急ぐべく、赤心寺の猛者100人と休むこと無く組み手を敢行する、苛酷極まる「地獄稽古」を課すことを決めた。

「地獄稽古はまだ早い」と心配する一番弟子・弁慶の心配をよそに、一也は必死に猛者達を退け、最後の一人である玄海までたどり着く。しかし最高師範の玄海にはやはり及ぶべくもなく、軽くあしらわれ崖下へ転落。その瞬間、心身の限界を超えた一也は無念無想の境地にいたり覚醒、スーパー1への変身を果たした。

下山した一也は、仇敵である猿渡の前に姿を現す。赤心少林拳の技を駆使し、猿渡を追い詰める一也。劣勢に立たされた猿渡は、ファイヤーコングの正体を現し、一也もまた、会得した呼吸法を駆使してスーパー1に変身。エレキハンド、冷熱ハンドと、武装を駆使してファイヤーコングを追い詰めたスーパー1は、トドメの「旋風スーパーキック」を浴びせ、ファイヤーコングを撃破した。

その一部始終を見守っていた源次郎が言う。「俺はお前のことを、『仮面ライダースーパー1』と呼ぶぞ。スーパーライダーの誕生だ!!」

かくて、仮面ライダースーパー1とドグマ王国の戦いの火蓋が切って落とされたのだった。

解説

内容的には前話から直接繋がっています。今回で、主要キャストはほぼ出そろっているのですが、今後も重要なキーパーソンとなるはずの、玄海役・幸田宗丸および弁慶役・西山健司の二人は、オープニングで俳優名だけがクレジットされ、役名が出てないのが気になりましたね。重要人物でしょうに。

その玄海役・幸田宗丸ですが、本作においても重要な役どころを担っていますが、特撮ファンに最も印象深いのは、おそらく「超電子バイオマン」のドクターマンこと蔭山秀夫役でしょう。1920年生まれなので、スーパー1放映当時、既に60歳。現代劇・時代劇問わず悪役・脇役として活躍し、本作においてもさすがの貫禄と存在感を示しています。

谷源次郎役・塚本信夫は前作より引き続いての登場となります。やはり、主人公を脇からサポートする、立花藤兵衛的な立ち位置の登場人物です。今回はモーターショップを開業しており、そのショップの従業員達が主人公・一也のサポートメンバーとなります。

今回、スーパー1の重要な特徴が一つ紹介されています。それが、チェックマシーンシステム。スーパー1はモーターショップの近くに秘密の小基地を持っており、そこでチェックマシーンによるメンテナンスを定期的に受ける必要があります。これはスーパー1の全身をスキャニングして異常の有無をチェックし、大抵の異常はその場で修復してしまうハイテクノロジー設備です。

ドグマの怪人にも今までにはない特徴があり、爆死する際に必ずテラーマクロの名を叫びます。これはドグマにおけるテラーマクロの絶対性を印象づける、上手い演出ですね。

脚本:江連卓
監督:山田稔

第1話「惑星用改造人間の大変身」第3話「行け!地の果て ドグマの黄金郷」
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