仮面ライダーアマゾン

  • 放映期間
    • 1974年10月~1975年3月
  • 主演
    • 岡崎徹

エピソードリスト

No.タイトル脚本監督備考
1人か野獣か?! 密林から来た凄い奴!大門勲塚田正煕
2十面鬼!神か?悪魔か?大門勲塚田正煕
3強くてハダカで速い奴!大門勲山田稔立花藤兵衛登場
4走れ!怒りのジャングラー!!大門勲山田稔
5地底からきた変なヤツ!!鈴木生朗内田一作モグラ獣人登場
6インカ縄文字の謎!!鈴木生朗内田一作
7とける!とける!恐怖のヘビ獣人!?伊上勝塚田正煕
8学校を襲ったワニ獣人!!村山庄三塚田正煕
9ゆけアマゾン!カニ獣人の島へ!伊上勝田口勝彦
10黒ネコ獣人 保育園をねらう!!鈴木生朗田口勝彦
11金色のカタツムリは死神の使い?!鈴木生朗山田稔
12見た!ゲドンの獣人改造室!!伊上勝山田稔
13迫る!十面鬼!危うしアマゾン!!伊上勝塚田正煕
14十面鬼死す!そして新しい敵!?伊上勝塚田正煕十面鬼退場
ゲドン壊滅
ゼロ大帝、ガランダー帝国登場
15出たぞ!恐怖のゼロ大帝!!伊上勝内田一作
16ガランダーの東京火の海作戦!!鈴木生朗内田一作
17富士山大爆発?東京フライパン作戦!松岡清治折田至
18ゼロの恐怖!大地震作戦!!鈴木生朗折田至
19出動、ガランダー少年部隊!!鈴木生朗塚田正煕
20モグラ獣人 最後の活躍!!伊上勝塚田正煕モグラ獣人退場
21冷凍ライダーを食べる人喰い獣人!村山庄三田口勝彦
22インカ人形 大東京全滅の日!?伊上勝田口勝彦
23にせライダー対アマゾンライダー!!鈴木生朗内田一作
24やったぞアマゾン!ゼロ大帝の最後!!鈴木生朗内田一作

解説

シリーズ4作目となる『仮面ライダーアマゾン』は、「怪奇アクション」というシリーズの原点を意識しつつも、言葉を話せない野生児というこれまでにない新しい主人公像を大胆に据えた、昭和シリーズでも独特の異彩を放つ異色作です。

アマゾンのジャングルで育った野生児が変身するアマゾンライダーは、そのアクションも野獣そのもの。ひっかき、噛みつき、切り裂きなど、それまでの歴代ライダー達のスマートな印象を根本から覆す泥臭いアクションは、吹き上がる血しぶきなどといった演出もあり、一種異様な映像を作り上げています。

さらには、野生児として育ち、言葉も文明もわからないような状況で日本に一人放り出され、周囲の理解も得られず孤独にゲドンと戦うという構図は、初代作『仮面ライダー』の旧1号編すら上回るハードさと言えるでしょう。

敵となる怪人にもこれまでとは違った試みが見られます。これまでの悪の組織の「改造人間」達は、例外はあれど、あくまで人間をベースとして動植物の能力を付加したものであり、二足直立で身体のパーツ構成も人間寄りでした。しかし、本作に登場する「獣人」は逆で、動物をベースとして人間の知能を与えたものであり、その容姿はそれまでの改造人間よりも大幅に動物寄りです。

このように、シリーズの中でも強い異彩を放つ本作は、今でこそ再評価されていますが、放映当時はそのワイルドすぎる主人公やアクション、ハードすぎるドラマが本来の視聴者層である子供には敬遠されたようで、視聴率は徐々に低迷。次第に従来の作風に近い路線変更が行われていきます。アクションは従来のキックやパンチが多用されるようになり、藤兵衛やモグラ獣人、りつ子、まさひこといった仲間達のサポートを受けるようになります。ストーリーもこれまで通りのわかりやすい作劇に寄っていきました。

そんな状況で、全24話という歴代作でも最少のエピソード数で終わったため、不人気による打ち切りと思われがちですが、それは誤解。制作・放送局である毎日放送が、「腸捻転」と呼ばれていた他局との複雑にこじれた資本体系の解消を目的とした業界再編で資本体系が変わることが決定していて、それにともない全24話での終了は当初から決まっていました。ただ、その認識は現場には共有されていなかったようで、プロデューサーすら「途中で番組終了を知った」という状況だったとか。

余談ではありますが、昭和シリーズでは何度も悪の首領の声を務めた声優・納谷悟朗が、本作ではナレーターに回っているというのも特筆すべき点でしょう。

とにもかくにも、とくに初期の野獣アクションは平成・令和も含めてシリーズ唯一無二と言っていい独自性が光る本作。是非一度ご覧になってみてください。

登場人物

アマゾン/山本大介(演:岡崎徹)

生後まもなく飛行機事故でアマゾンで遭難し、ジャングルで動物たちに囲まれて育った野生児の青年。十面鬼の反乱に遭ったインカの末裔バゴーの手により、ギギの腕輪を移植する改造手術を受け、さらにはバゴーの暗示で日本へ渡り、仮面ライダーアマゾンとしてゲドンと戦うこととなった。

ほぼ言葉も話せず、山本大介という自分の本名も覚えていないため、藤兵衛や岡村姉弟に呼ばれるままに、自身のことを「アマゾン」と称する。

バゴー(演:明石潮)

第1話に登場。南米の古代インカ一族の末裔であり長老。助手であるゴルゴスが十面鬼となって反乱を起こし、一族は壊滅。自身も致命傷を負ったが、命つきる前にアマゾンにギギの腕輪を託して改造手術を施し、日本へ行って高坂教授に会うよう暗示を残して、絶命する。

高坂太郎(演:北原義郎)

第1話に登場。事故で亡くなったアマゾンの父親の友人でもある。バゴーとも親交があり、ゲドンの存在を知っていた。アマゾンの来日にあたって彼に協力しようとするも、クモ獣人に殺される。

岡村まさひこ(演:松田洋治)

高坂教授の甥。小学2年生。来日したアマゾンの最初の「トモダチ」となる。後半ではアマゾンの教師役ともなり、彼の特訓によりアマゾンは日本の風習・言語をほぼ完璧に身につけた。

岡村りつ子(演:松岡まりこ)

高坂教授の姪でまさひこの姉。当初はまさひこを戦いに巻き込むアマゾンを嫌っていたが、カニ獣人の手から救われて以降は心を開くようになり、いつも上半身裸のアマゾンに上着をプレゼントする。

立花藤兵衛(演:小林昭二)

第3話より登場。本作では、レーサーとして現役復帰している。第3話でカマキリ獣人の手からアマゾンに救われ、以後アマゾンに協力するようになる。バゴーが残した設計図からジャングラー号を製造するなど、メカニックとしての腕も健在。

モグラ獣人(声:槐柳二)

第5話より登場。元ゲドンの獣人。アマゾン打倒に失敗し、十面鬼により日干しの刑に処されたところをアマゾンに助けられ、以降、アマゾンの協力者となった。まさひこと仲が良く、りつ子には「モグラさん」と呼ばれる。

第20話で、キノコ獣人の人喰いカビを浴びて命を落とす。彼が命と引き替えに持ち帰ったカビから解毒剤が完成し、東京は救われている。

十面鬼(声:沢りつお)

秘密結社ゲドンの首領。本名はゴルゴスで、かつては長老バゴーの助手を務める科学者だった。野心に目覚めてバゴーを裏切り、自身を改造して十面鬼となった。古代インカの秘宝を狙い、自身が持つガガの腕輪と一対の鍵となるギギの腕輪に固執し、執拗にアマゾンの命を狙う。第14話でアマゾンに敗れ、爆死する。

ゼロ大帝(演:中田博久)

第14話より登場。壊滅したゲドンと入れ替わるように姿を現したガランダー帝国の帝王。パルチア王朝の末裔を自称する。十面鬼が持っていたガガの腕輪を入手しているが、ギギの腕輪には固執せず、日本征服を優先する立場を取る。

計画を立案した部下を「面白くない」という理由で処刑する残忍な性格の持ち主。

ただし、表に立ってガランダー帝国を指揮していたこのゼロ大帝は、実は影武者である。

支配者(声:阪脩)

第16話より登場。ゼロ大帝を影で支配するガランダー帝国の真の頭目。ゲドンも裏で支配していたとされる。普段はその姿を見せること無く、声のみでゼロ大帝に指示をくだす。その正体は、本物のゼロ大帝。

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