あらすじ
GODの「アルファ作戦」。それは、子供を持つ市民を恐慌状態に陥れるべく、市中の子供達を片っ端から誘拐するという計画だった。
怪人キクロプスが運転手に化けて幼稚園バスを乗っ取り、アジトへ連れ込んで子供達を誘拐するGOD。その幼稚園バス失踪はニュースになったが、たまたま峠道で失踪したバスを目撃していた壮年の喫茶店店主の男が、不審を抱いて現場へ向かってみると、子供達を乗せてトンネルに侵入した別のマイクロバスから、悲鳴が上がった。
何事かと思い男がトンネルに近づくと、中から黒衣の女性が現れ、中でバスが事故に遭ったので手伝ってくれと頼む。頼まれるまま男がトンネルに入ろうとすると、そこに同じ失踪事件を追っていた敬介が現れて男を制止した。
「行ってはいかん、罠だ!」
黒衣の女性は涼子であった。
トンネル内に逃げる涼子を追う敬介の前に、キクロプスと戦闘工作員が立ちはだかった。男を守りながらトンネルを脱出し、敬介はXライダーにセットアップ。Xライダーの姿を目の当たりにした男は呆然とする。
「仮面ライダー…? まさか! 俺は夢を見てるんじゃないだろうな?」
しかし、直後に男は戦闘工作員に襲われ、路肩から転落し、気を失った。
男は自分が経営する喫茶店で意識を取り戻した。目の前には、自分を陥れようとした女と瓜二つの別人(霧子)、そして敬介。男は敬介に詰め寄る。
「君は一体何者だ!!」
男の名は立花藤兵衛。かつて仮面ライダー1号、2号、V3らとともに悪の組織をとってきた過去を持つ人物だった。敬介は、自分が父とともにGODに殺され、改造人間として甦った「仮面ライダーX」であると明かした。藤兵衛は敬介の手を握り、再び新たな悪の組織GODとの戦いに身を投じることを決意した。
一方、GODのアジトでキクロプスは、GODが日本を支配した後の奴隷として確保するため、誘拐した子供達を冷凍保存する作業を行っていた。そこに、アジトのトンネルをトラックが通りかかる。トラックはそのまま地下のアジトに引きずり込まれるが、このトラックの運転手は藤兵衛の変装であり、助手席には敬介が隠れていた。アジトに侵入を果たした敬介は、子供達の救出を藤兵衛に任せて、キクロプスと相対する。
アジトの外に出たXライダーはキクロプスと激しい戦いを繰り広げた末に、最後はXキックを直撃してキクロプスを破った。
冷凍された子供達は霧子の手配で無事に元の状態に戻り、全員無事に救助された。
解説
色々な要素が盛りだくさんであらすじまとめるのも一苦労でした…
何よりもまず注目すべきは、やはり立花藤兵衛の登場でしょう。前作、前々作との直接的な世界観のつながりが明示されていなかった本作ですから、当時の視聴者もまさかここで藤兵衛が出てくるなんて予想してなかったんじゃないですかね。しかも、「デストロンノイローゼ」と来たwww
作品が変わるごとに職業も転々と変わる藤兵衛ですが、今回は喫茶店COLを新たに開業しています。しかし、訪れた来客(敬介)をいきなり「用事を思い出した」と一方的に追い出して閉店するような接客業にあるまじき行い…大丈夫ですかね、この喫茶店…
一つ目怪人キクロプスの人間体を演じているのは、中田博久。昭和ライダーファンならば、次作『仮面ライダーアマゾン』のガランダー帝国のゼロ大帝でおなじみの俳優です。V3などでも怪人(バーナーコウモリ)の人間体を演じたりしてますね。スーパー戦隊シリーズ『超電子バイオマン』の悪の幹部・メイスン役も有名どころで、悪役のイメージが強い俳優さんですが、『キャプテンウルトラ』でヒーロー役の経験もあったりします。特撮以外でも映画を中心に割と幅広い活躍をされていますね。
脚本:鈴木生朗
監督:田口勝彦