あらすじ
デストロンによって拉致された、国内の海洋生物学のホープである中原博士は、ピッケルシャークの改造を手がけた後、デストロンを脱走。偶然通りかかった少年ライダー隊隊員を通じて、藤兵衛に接触した中原博士は、デストロンの秘密を記した手紙を風見志郎に渡すよう言い残して、立ち去った。しかし、博士は直後にピッケルシャークの手で殺されてしまった。
中原から預かった手紙は、純子が伊東の海園ホテルに滞在している志郎の元へ届けに向かったが、ホテルの前で、純子は以前からつきまとわれていた男に絡まれてしまった。手紙の入った鞄を奪われかけて抵抗する純子。その二人の前に、デストロンの戦闘員が現れた。デストロンの目的は、純子の持つ中原の手紙。男は早々にその場を逃げ出し、純子は戦闘員に連れ去られかけるが、そこに志郎が現れ、純子を救出する。
志郎は純子を先に逃がし、後から現れたピッケルシャークをV3に変身して迎え撃つ。しかし、V3に変身するその瞬間を、純子につきまとう男に目撃されてしまっていた。
ピッケルシャークが去った後、手紙に記されていたデストロンのアジトに向かおうとする志郎を止める純子。そこに男が現れ、純子の目の前で志郎がV3であることを暴露してしまう。無言で歩み寄る志郎の仏頂面に腰を抜かす男だが、志郎は黙ってその場を立ち去り、純子も後を追った。
純子に横恋慕してつきまとい、志郎を憎む男。ピッケルシャークは「使える」と判断し、男をアジトへと連れ去る。男はデストロンの犬神博士によって、ドリルモグラに改造された。
純子の追求もはぐらかし、志郎はモーターボートでデストロンのアジトを探しに向かった。海岸に残された純子の前に、ドリルモグラが地中から現れる。
一方、海上でデストロンのアジトを捜索する志郎を、ピッケルシャークが襲撃。志郎はピッケルシャークに散々水上を引き回された末に、V3に変身して迎え撃つ。しかし、自身に有利な水中での持久戦に持ち込むピッケルシャークに、V3は苦戦する一方だった。
解説
純子につきまとう男。現代なら「ストーカー」というひと言で表現できますが、当時はそんな言葉はありませんでした。ストーカーという言葉が世に定着し始めたのは1990年代あたりです。それ以前は「つきまとい行為」なんて、そのまんまな言葉で呼ばれていましたね。
で、そのストーカーにより、志郎は自分がV3であることを純子に暴露されてしまいます。ひとつのターニングポイントとなりうるイベントでしたが、結局次回で上手いことごまかして有耶無耶にしてしまうんですね。
ラストのピッケルシャーク対志郎&V3のバトルは、延々と長い尺で展開されてます。Bパートの半分くらい使ってるんじゃないかってくらい長い。1エピソード2話構成だと、こういった濃厚なアクションシーンをたっぷりと魅せることができますね。滅多に見ない水中戦というのと、見せ方のうまさもあって、不思議とダレません。
やってることもなかなかエグくて、志郎がピッケルシャークに海上を引き回されているシーンは、おそらく宮内洋の身体をボートか何かで引っ張り回してますね。無茶なアクションするなぁ…。だいたい、ピッケルシャークの方も、あんな着ぐるみ着ながら海の中でアクションとか、文字通り命がけだろうに。
水中でのアクションでV3の顎パーツがかなり外れかかっていたのはご愛敬と言うことで…
脚本:鈴木生朗
監督:塚田正煕