立て!キングダーク!!(『仮面ライダーX』第31話)

あらすじ

那須高原の湖で少女ユキが拾った人形。その人形を狙い、GOD悪人軍団のトカゲバイキングが、ユキ一家の寝込みを襲った。しかし、肝心の人形はユキが持ち逃げし、姿を見失ってしまう。そのユキは、敬介らと共に那須高原に逗留していたチコとマコに保護された。

敬介達が調べると、ユキが持っていたその人形には、南原博士の親友であるという女性がRS装置の設計図を人形に隠したいきさつが録音されていた。驚く敬介達。しかし、ユキは人形が自分の手から奪われるのを嫌い、敬介達から逃げ出してしまう。

早く保護しなければGODに命を狙われる。敬介達が懸念したとおり、逃げ出したユキはトカゲバイキングと戦闘工作員達に囲まれてしまう。敬介が辛うじて間に合ってユキを助け出しXライダーに変身するが、トカゲバイキングはチコとマコを人質に取ることで、Xライダーを降伏させた。

しかし、トカゲバイキングが持ち帰った人形からは、既にユキが設計図を抜き取っていた。トカゲバイキングはユキと藤兵衛達に手を回して捕獲。敬介は陶芸用のかまどで焼き殺し、藤兵衛達は磔にしてカタパルト弾によって処刑しようとしていた。

しかし、敬介は機転を利かせ、両手を拘束する鎖をかまどの熱で焼き切って脱出。その場でXライダーに変身し、藤兵衛達も救出し、トカゲバイキングと対峙する。トカゲバイキングはXライダー相手に一方的に押し込まれ、最後も右腕を自分の斧で切り落とされ、直後に空中地獄車を食らって果てた。

不甲斐ない悪人軍団の体たらくに怒り心頭のキングダーク。「ワシが繰り出さなければ、何もできんのか!」と、その巨体を今にも起こそうとしていた…

解説

那須高原ロケですね。

トカゲバイキング。バイキングとは言うまでも無く、中世の北欧海賊のことを指す言葉であり、特定の人物を指す固有名詞ではありません。悪人軍団の中でもちょっと毛色の違うネーミングと言えますね。そのトカゲバイキングですが、ひと言で言うと、弱い。Aパートの戦闘ではXライダーに押し込まれっぱなしで息も絶え絶えな有様。チコとマコを人質に取ってようやくXライダーを降伏に追い込みますが、Bパートでもやはりその脆弱な戦闘力は変わらずじまい。

で、最後は「真空地獄車」ならぬ「空中地獄車」なる技で果てています。真空地獄車は文字通り、相手と組み合って地獄車で回転した後にXキックを浴びせる技ですが、「空中地獄車」はなんかXライダーが空中でグルグル回転してからキックを浴びせるだけという、「地獄車じゃないやん」と言いたくなる技。やっぱ真空地獄車は撮影が面倒だということでこうなったんかしら…

それにしても、敬介がかまどから脱出する際に、炎で鎖を焼き切るというのはやはり無理がありすぎると思います…鉄の鎖を焼き切れるレベルの温度になったら、おそらく先に身体の方が溶けてしまいます。改造人間といえども、内部のメカニックだって無事では済まないでしょう…。そんなことをものともしないチート能力こそヒーローの特権とはいえ、さすがにちょっと無理矢理感はありますね。

結局最後、人形に仕込まれていた設計図がどちらの手に渡ったのかははっきりしてないのですが、キングダーク様がお怒りなところを見ると、藤兵衛が守り切ったのでしょうね。

那須高原ロケは次回も続きます。

脚本:村山庄三
監督:折田至

第30話「血がほしい しびと沼のヒル怪人!!」第32話「対決!キングダーク対Xライダー」
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