あらすじ
デストロンは病原性のある毒ガスを新たに開発し、これを東京中にばら撒く計画を企てていた。
毒ガスの性能実験を担当する改造人間・スプレーネズミは、山の上教会の神父を殺して入れ替わり、資金難で結婚式を挙げられないカップルに接近。無料の結婚式を餌に教会に誘き出して実験台にしようとするが、新婦のユリコが唯一の招待客として招いた友人が純子であったことから、状況を怪しんだ志郎に企みが露見してしまう。
スプレーネズミが新郎新婦にデビルスプレーを噴射しようとする直前に乱入した志郎だったが、戦闘員らデストロン一味ともみ合っている間に、新郎のアキオがデビルスプレーの餌食になってしまった。V3はなんとかスプレーネズミを撃退したが、デビルスプレーを浴びたアキオは、全身に斑点があらわれ、40度の高熱を発する奇病に倒れた。佐々木医師によれば、ペストに似ているが全く新しい病原菌だとのこと。志郎の懇願もあり、ワクチンの開発を約束する佐々木だが、見込みが立っているわけでもなく、状況は厳しいままだった。
一方、セントラルスポーツには、デストロンのアジトから逃げてきたという、松葉杖の男が藤兵衛に接触してきた。藤兵衛達により店内で傷の手当てを受け、デストロンの企みが東京中に毒ガスをばら撒くことだと明かしたその男は、実はデストロンの改造人間・クサリガマテントウであった。
正体を現したクサリガマテントウはユリコを拉致して逃走。志郎が後を追うが、これはドクトルGの計画通りだった。クサリガマテントウがV3を誘き出して足止めしている間に、スプレーネズミは東京中に毒ガスをまき散らし、大混乱を引き起こしていた。
クサリガマテントウを追うV3は山の上教会へ至り、戦闘員に連れ去られたユリコを追って教会に踏み込むが、逆に礼拝堂に閉じ込められてしまう。
礼拝堂に流れる葬送行進曲の旋律。その旋律が終わった瞬間、聖書の中に仕込まれた時限爆弾が大爆発。教会は木っ端みじんに吹っ飛んでしまった。
果たして、V3の生死やいかに!?
解説
正直、あまりコメントするところが無いなぁ…
前後編の前編。前後編構成の場合、怪人が二体登場するのが常で、今回もそうなのですが、二体の怪人はなぜかあまり連携取って行動を取るような事をせず、別個に行動して各個撃破されるということが意外と多いです。
その点、今回のスプレーネズミとクサリガマテントウは、ツーマンセルで効果的に作戦を進めます。スプレーネズミが東京征服を担当し、その間クサリガマテントウがV3を足止めするといった具合ですね。ドクトルGの指揮によるものですが。
それにしても、スプレーネズミの実験台を確保するのに、教会を占領して結婚するカップルを呼び込むというのも、ずいぶんと回りくどいことをするものです。しかも新婦の希望で唯一参列を認めた親友が純子だったというのだから笑い話です。
さらに言えば、スプレーネズミが放つ病原菌に即死性は無く、死に至るまで3日ほどかかるのですが、デストロンのやることにしてはずいぶんと中途半端な殺傷性能だなという印象です。それで伝染性でも備えているのならまだ納得ですが、アキオの傍に寄りそうユリコや純子に感染する様子が全く無いので、伝染力も無さそうです。
V3の26の秘密が一つ明かされています。胸部の特殊強化筋肉。特殊合金でできた強化筋肉でどんな攻撃も跳ね返せると。あ、はい、そうですか…って感じですね。
脚本:島田真之
監督:田口勝彦