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仮面ライダーV3・風見史郎は改造人間である。謎の秘密組織デストロンに重傷を負わされたが、仮面ライダー1号2号によって改造手術を受け、仮面ライダーV3として蘇った!
- 放映期間
- 1971年4月~1973年2月
- 主演
- 宮内洋
エピソードリスト
解説
前作「仮面ライダー」の人気が沸騰し、2年間もの長期放映になるに至り、スタッフはショッカーに代わるゲルショッカーの登場、少年仮面ライダー隊、2号ライダーの客演など、様々な強化策を打ち出していました。その強化策の中に、3号ライダーの登場という案も含まれていましたが、その案は温存され、逆に3号ライダーを新しい主人公とした新番組の企画が立ち上がりました。それが本作、「仮面ライダーV3」です。
前作「仮面ライダー」の直接的な続編に位置づけられ、立花藤兵衛役の小林昭二の続投、少年仮面ライダー隊の引き続いての登場、生きていたゲルショッカー首領による新組織の結成、そしてさらには仮面ライダー1号2号の手で改造され、両者の能力を継承したサラブレッドな主人公など、前作の世界観を随所に引き継いでいます。
物語の冒頭でダブルライダーがいきなりカメバズーカを道連れにして行方不明になるという衝撃的な展開から、主人公の風見志郎はダブルライダーがV3の身体に残した「26の秘密」を独力で解明しながらデストロンと戦うという、謎解きの要素を含んだストーリーが前半は展開されました。
しかし、謎を解き明かすという要素を活かすため、全体的にV3が苦戦するストーリーが多くなり、「V3は弱い」という印象を与えてしまったことから、この「26の秘密」の解明要素は中途のまま放棄され、大幹部ドクトルG登場以降は、前作に近い作劇が多くなっていきます。
ドクトルGの退場以降は、前作の旧1号編に近いような怪奇色の一時的な復活、さらには脇役としての2号ライダー「ライダーマン」の登場など、一歩間違えれば迷走とも捕らえられかねないような様々なてこ入れを図っていきます。
しかし、平成・令和も含めてシリーズ最高となる視聴率を記録した中盤以降は、それらのテコ入れも実らなかったのか徐々に人気も下降。結果、様々な新しい要素を盛り込んだ新番組「仮面ライダーX」へと引き継がれていくことになります。
全体的に、主人公のV3は前作の1号2号を超えるという位置づけからか、前作よりもアクションが派手なので見ていて爽快感があります。主演の宮内洋自身がこだわって作り上げたというヒーローとしての主人公像も、前作とは違った味わいを見せてくれます。
そして何より、ライダーマンの登場。平成・令和のシリーズでは当たり前のように脇役としての2号ライダーが登場しますが、ライダーマンこそがそのルーツであると言っても差し支えないでしょう。
このように、本作には視聴者の興味をくすぐる要素がふんだんに盛り込まれており、娯楽性の高い作品に仕上がっています。歴代最高の視聴率をたたき出したというのも納得と言えるでしょう。
主な登場人物
風見志郎(演:宮内洋)
城南大学生物学部の学生で、前作の主人公・本郷猛の後輩にあたる。
デストロンの怪人ハサミジャガーによる殺人現場を目撃してしまったため、デストロンに狙われる身となり、両親と妹をハサミジャガーに殺される。
ダブルライダーを改造人間分解光線から身を挺して庇い、瀕死の重傷を負ってしまう。瀕死の彼を救うべく、ダブルライダーによる改造手術が行われ、仮面ライダーV3として生まれ変わり、家族の仇であるデストロンと戦う。
本郷猛(演:藤岡弘)
城南大学生科学研究所の科学者であり、ショッカーおよびゲルショッカーと戦いこれを滅ぼした仮面ライダー1号でもある。
自分たちを庇い、瀕死の重傷を負った志郎に、2号ライダーとともに改造手術を施して仮面ライダーV3を誕生させた。
その後、カメバズーカ体内の原子爆弾を2号とともに太平洋上で爆発させ、消息を絶った。
一文字隼人(演:佐々木剛)
フリーカメラマンの青年。本郷猛とともにショッカーおよびゲルショッカーと戦い、これを滅ぼした仮面ライダー2号でもある。
自分たちを庇い、瀕死の重傷を負った志郎に、1号ライダーとともに改造手術を施して仮面ライダーV3を誕生させた。
その後、カメバズーカ体内の原子爆弾を1号とともに太平洋上で爆発させ、消息を絶った。
立花藤兵衛(演:小林昭二)
立花レーシングクラブ会長として、本郷猛、一文字隼人らの戦いをサポートした人物。
本作では新たに、少年仮面ライダー隊の本部を兼ねたスポーツ用品店を開店し、志郎のデストロンとの戦いをサポートする。
珠純子(演:小野ひずる)
少年仮面ライダー隊の通信係として、藤兵衛とともに志郎の戦いをサポートする女性。
デストロンのアジトを偶然目撃したことで命を狙われる身となる。志郎の家族が殺されたのは、自分の巻き添えにされたからだという自責の念から、弟のシゲルとともに戦いに参加する。
珠シゲル(演:川口英樹)
純子の弟。少年仮面ライダー隊のリーダー格として戦いに参加する。
結城丈二(演:山口暁)
第43話~第51話に登場。
元デストロンの科学者。首領に引き取られた孤児であり、首領に恩義を感じている。デストロンも平和組織だと信じていた。
デストロン内で人望も厚く、将来の幹部候補とされていたが、その才能と人望を妬んだヨロイ元帥の策略により、硫酸のプールで処刑されかけ、右腕を失った。彼を慕う科学者陣に救出された後は、失った右腕の代わりに開発中のカセットアームを移植し、ライダーマンとなってヨロイ元帥への復讐を誓う。
敵はあくまでヨロイ元帥であり、デストロン首領を悪とは思っていなかったため、志郎には敵対心を向けるが、後にデストロン首領の正体を知ってからは、志郎と共闘するようになった。
ドクトルG(演:千波丈太郎)
第13話~第30話に登場。ドクトル「ゲー」と読む。
デストロン日本支部の初代大幹部。斧と盾で武装した戦士風の出で立ち。
デストロンのドイツ支部より日本に着任した大幹部。V3のことを「仮面ラーイダV3」と独特の節回しで呼ぶ。
キバ男爵(演:郷鍈治)
第31話~第35話に登場。
ドクトルGに続くデストロン二代目大幹部。
アフリカの奥地で栄える「ドーブー教」を信奉するキバ一族を束ねる呪術師で、獣の毛皮を着用し、マンモスの頭蓋骨を象った兜を被っている。
ツバサ大僧正(演:富士乃幸夫)
第36話~第40話に登場。
デストロン三代目大幹部で、チベットに伝わる邪教「まんじ教」の教祖。飛行能力を持つ怪人で構成される「ツバサ軍団」を率いる。
ヨロイ元帥(演:中村文弥)
第41話~第52話に登場。
デストロン最後となる四代目大幹部であり、ヨロイ一族の長。
結城丈二が自分の地位を脅かすと考え、濡れ衣を着せて処刑しようとし、ライダーマン誕生のきっかけを作る。
首領
前作でショッカーおよびゲルショッカーを率いていた首領と同一の存在。前作同様、普段は部下にもその姿を見せず、声のみで指令を下す。